booger man

かつてウガリという食べ物に夢中になった。
ウガリとはアフリカあたりでよく食される、とうもろこしの粉末を煮てかき混ぜた料理のことだ。
夢中になったとはいえ全然真面目にやる気がなかったことは、上の解説の適当さからもよく分かっていただけると思う。つまりウガリ、と口にした際の語感の愉快さと、とうもろこしを粉にして煮ただけ、という緊張感に惹かれただけのことだった。
ということを何となく書き始めたが、俺はこの話をどこに持っていくのか全然考えていない。だが今、一つだけ思い出したことがあった。
最近20代前半のボーイズと話していたら、彼らは長良川の鵜飼いを知らないという。俺もこの歳になってまだまだ知らないことは山ほどあるので、まあ興味の問題だろうなと聞き流していた。
するとあるボーイズが得意気に言った。「俺、鵜飼い知ってますよ!」
俺がへえ、と言う間もなく、彼は解説を始めた。
「鳥が魚食うやつだよ!」そして解説は終わった。食ってどうすんだよ!と思ったが、俺は聞こえなかったふりをした。