shove it right in

エディ・マーフィの漫談を収めた"delirious"、邦題『エディ・マーフィのライブ!ライブ!ライブ!』(82) というけれども、もう26年も前の作品だ。この中でエディが「子供の頃、お風呂の中で肛門にGIジョーを入れた」という話をしていた。
肛門にGIジョー。ずいぶん昔にその話を聞いた時は大爆笑してそれきりだったが、ゆうべこれをフト思い出し、ひとつの疑問に行き当たった。
GIジョーといったらハズブロの、3.5インチぐらいのフィギュアシリーズだ。約9センチ弱、手ごろなサイズで全部集めたくなる感じの。

俺は昨日まで、エディが尻に突っ込んだのはこのシリーズだと思っていた。これならまあ肛門に入らないことはない。そう思ったからこそあまり深く考えもしなかった。
しかし冷静になってみれば辻褄が合わない。GIジョーはもともと12インチの着せ替え人形シリーズだ。発売開始は1964年。それが1982年、3.5インチのコレクション・シリーズに仕切り直された。エディ・マーフィ21歳の時のことだ。彼が子供の頃、GIジョーといえばバービーと同じサイズだった。そして俺は気付いた。つまりエディは子供の頃、約30センチの人形を尻に突っ込んでいたと。やはり凄い男だと、改めてそう思わざるを得なかった。




"delirious"はエディがサタデー・ナイト・ライブで人気爆発、いよいよハリウッドに殴りこみという頃のステージを完全収録。エディ22歳。物真似(マイケル・ジャクソン、JB、スティービー・ワンダー、Mr.Tほか)、逆人種差別、セックス、うんこ、ちんこ、オナラ、変な家族の話など、この時点で殆ど完成されていた持ちネタを爆発的な勢いで繰り出してくる。後のエディ全盛期に公開されたスタンダップ映画『RAW』(88)もあるが、スピードとパワー、テンションの高さなど、どれをとっても"delirious"のほうが勝る。1度は見られたし。